宮本 達也

株式会社トーシン 代表取締役社長

トーシンはどのような企業ですか?

私たちは、変化に対して柔軟な集団です。時代は常に変化し、昨日までの常識が今日は通用しないかもしれない。商売では人がやらないことをやった時こそ、新たな価値が生まれる。誰かの成功体験をなぞるのでなく、我々にしかできない物事をどれだけ生み出せるか。それが最も大切なのです。

2018年、総務部の佐藤さんが「区民限定缶バッジ」を手作りしました。社内の眼は冷ややかでしたが、蓋を開ければ4年間で累計6万個のヒット商品になりました。当時のトーシンは、まだ既存の発想から抜け出せていなかったのです。しかし現在の私たちはもっと柔軟で、もっと面白さにこだわっています。

トーシンを今後どのような会社にしていきたいですか?

私たちが提供する一番の価値は、ガチャガチャを出す瞬間のワクワク体験です。自販機は単なる販売手段に過ぎませんが、そこに何が出るか分からないガチャガチャという不確定要素が加わると、不思議なエンタメ性が生まれます。この価値を捉えてアイデアを結集させることが、新たな展開につながるでしょう。

売り上げ規模で言えば、2019年度年商8億円だった会社が、2022年度は予算ベースで40億、さらに向こう3年間で年商50億を想定しています。その先はまだわかりませんが、また別の挑戦をするかもしれません。その時、社員の誰かが抜群に面白いアイデアを持っていたら、プロジェクト化の可能性もあります。

求める人物像は?

なんでもやってみようという挑戦心や自分ならこうしたいという意思があって、自主性をもって実行管理までできる方を求めています。意見をしっかり持っている人には、どうしてそのような考えを持つに至ったのかを知るためにじっくり話します。過去のたくさんの選択の積み重ねの結果、今のあなたがいる。その背景にあるものがうちの社風とマッチすれば、一緒に働いていけるかもしれません。

それに加えて何か一つ突出したものがある人は、さらに魅力的ですね。例えば弊社の社員には元ラジオパーソナリティや、登録者数1万人のYouTubeチャンネルを持つ人もいます。それらが直接役に立つかはともかく、ひとつの事に夢中になったことのある人は魅力的です。ひとつのお題で1時間語れますというくらい好きなものがある、そんな方ならこちらも興味をもって話を聞いてしまいますね。

反対に、無難な方というのは難しい。私たちは商売の差別化に知恵を絞る日々ですが、就活生も差別化しないと覚えてもらえないかもしれませんね。実際、面接ではガチガチに緊張してマニュアル的返答をする方が非常に多いです。しかし私たちが知りたいのは、皆さんのリアルな人生や生活についてです。限られた時間でお互いをより理解するために、本当の言葉を聞かせてください。

最後に、就職活動をしている皆さんへメッセージを

正解はググっても出てきません。皆さんの中には、インターネット上に就活対策の正解のようなものを期待している方もいるかもしれません。しかし、就活の答えは自分で見つけていくしかないのです。インターネットで世の中の情報がすべて手に入るわけはなく、身をもって経験して理解できることのほうがはるかに多いのです。私は成功への1番の近道は失敗だと思っています。まずは思い切って行動を起こしてみてください。